テキスト ボックス: JABTS11th Meeting,Utsunomiya,October 11-12,2003

テキスト ボックス: 演題番号 EL-3

テキスト ボックス: 副甲状腺機能亢進症に対するPEITの適応と実際

テキスト ボックス: 公立昭和病院内分泌代謝科

テキスト ボックス: 貴田岡正史

テキスト ボックス: PEITは比較的侵襲が少なく、外来で充分施行可能な治療法である。しかし、その適応が不適切であると副甲状腺組織が残存し、PTHの低下の不十分な場合がありえる。また副作用として反回神経麻痺が認められる。その適応・装置・手技が選択的副甲状腺PEITに関するガイドライン2000としてまとめられた。その概要を提示する。一次的適応は超音波断層検査で腫大副甲状腺が確認できることが第一条件である。装置は表在用を用い、低血流量低流速まで評価可能ものが望ましい。評価が長径1cm以上または推定体積(後述)0.5cm3以上の腺では結節性過形成の可能性が高く一応の目安になる。intact-PTH≧400pg/mlであること(PTH濃度は必ず血清カルシウム濃度を勘案し、高カルシウム血症を呈している場合には、これ以下のPTH濃度でも適応となり得る)、繊維性骨炎または高回転骨の存在の証明(画像、骨代謝マーカーなど)、内科的治療に抵抗性であることをすべて満足していることが必要である。勿論、患者に充分なインフォームド コンセント を行い同意が得られていることが必須である。ただし、対側に反回神経麻痺がすでに存在している場合や、甲状腺腫瘍の存在など他の頸部手術の対象疾患が存在している場合はPEITの適応としない。二次的適応は 副甲状腺摘出術の適応のある患者で、手術に耐えられないhigh risk症例は相対的適応となる。ただし、腫大腺の数とその程度により治療効果が不充分な場合があり、副甲状腺摘出術の代替えではないことに留意する。
穿刺方向は大きく二つに分かれる。探触子の走査方向に直角に穿刺する方法(交差法)と探触子の走査方向に平行に側面より穿刺する方法(平面法)である。交差法では腫大副甲状腺までの到達距離を最短にするともに穿刺操作の自由度を最大限に活かせる。エタノールの短期集中少量分割投与RIPP(Repeated Intensive PEIT of Parathyroid)を効果的に施行する際には後述のカラードプラ法とともに重要なポイントと考えられる。
一般的に副甲状腺の機能残存部位には血流が認められることが多いので適切なPEITの追加にはColor Flow Mapping行い血流を評価する事が必要となる。また血流の立体表示(3D)と定量化が可能となりつつある。また造影超音波法はperfusion levelに近いvascularityの描出能をもち機能残存部位の同定に有効である。
腫大副甲状腺が充分に破壊されているにも関わらず、PTHの低下が不充分に場合は、異所性に存在する腫大副甲状腺の可能性を考慮して99mMIBIシンチグラフィ等の画像診断で確認する必要がある。
抄録集P22