会長挨拶

JABTS24会長 渡辺隆紀(仙台医療センター 乳腺外科)第24回の日本乳腺甲状腺超音波診断会議(JABTS24)は2010年4月17日(土)、18日(日)の二日間仙台国際センターで開催いたします。

JABTS24のテーマは「次の10年に向けて」です。2010年はちょうど区切りの年にあたります。この10年で乳房超音波の世界は大きく変化しました。例えば、JABTS乳房超音波診断ガイドラインの発行とJABTS乳房超音波講習会の普及、さらにエラストグラフィの出現、BI-RADS-USの登場、装置の性能の急速な進歩、さらにはJ-STARTの開始などがありました。私にはこの10年間というものはいろいろな意味での基盤整備が進められた10年に感じられます。この基盤の上にどのようなものが出来上がっていくのかということをしっかり見据えて次の10年を考えていかなくてはなりません。また、JABTSそのものについてもさらなる進化が必要でしょう。例えば診断基準などに関してのエビデンスの創出作業もJABTSの重要な役割の一つになるものと思われます。また、10年後の世界、特にアジアを考えると今よりも活発な交流が予想されます。日本以外の国ではBI-RAD-USが用いられていますが、その際に日本だけ議論に参加できないような状況では困りますので、JABTSの用語の国際化が求められるでしょう。また、40代の乳癌検診に超音波が導入されているかもしれません。

はたして次の10年ではどのように変化していくのでしょうか。JABTS24に参加していただき、10年後のJABTSを考え、我々が今後行っていかなければならないことを考える機会になれば幸いです。

 

JABTS24会長 渡辺隆紀(仙台医療センター 乳腺外科)